【自作】爪切り立て小箱／その１８

2018.04.15 Sunday
19:15

爪切りを立てて収納する小箱を自作します。
設計と型紙の作成には『FreeCAD』を使います。
どのように作成するのかを掲載して、
『FreeCAD』のチュートリアル的な事も記事にしたいので、
そうすると膨大な文量になってしまう為、何回かに分ける事にします。

【前回まで】

「【自作】爪切り立て小箱／その１」
- 基準となる角を一つ決めるところまで進めました。
「【自作】爪切り立て小箱／その２」
- 四つ角と外壁とのりしろの真上から見た構造を決めるところまで進めました。
「【自作】爪切り立て小箱／その３」
- その２までに描画したスケッチを元に立体の外観イメージを作成しました。
「【自作】爪切り立て小箱／その４」
- 立体の外観イメージから、前面側と背面側の壁を作りました。
「【自作】爪切り立て小箱／その５」
- 立体の外観イメージから、左右の壁を作りました。
「【自作】爪切り立て小箱／その６」
- 四方の壁を元にして、角の壁をひとつ作りました。
「【自作】爪切り立て小箱／その７」
- 残りの三つの角の壁を作りました。
「【自作】爪切り立て小箱／その８」
- 四方の壁を元にして、底板を作りました。
「【自作】爪切り立て小箱／その９」
- 四つ角の斜壁の不要な部分を切り取りました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１０」
- これまでに作った側壁を元にして、のりしろを作りました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１１」
- 「壁左前」「壁斜左前」を展開しました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１２」
- 「壁右前」「壁斜右前」「壁前」を展開しました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１３」
- 「壁左背」「壁斜左背」「壁背」「壁斜右背」「壁右背」を展開しました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１４」
- のりしろを展開しました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１５」
- のりしろを展開しました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１６」
- 展開図を印刷し、微調整をしました。
「【自作】爪切り立て小箱／その１７」
- 展開図を印刷し、微調整をしました。

＜その１８の完成画像＞

今回の「その１８」では、
ポリプロピレンのシート材を使って、本番の作成に入ります。

＜準備＞

材料
- ポリプロピレンのシート材(厚さ0.75mm)
  - ダイソーで¥108で売ってます。
- ポリプロピレン対応の両面テープ(幅10mm)
  - 接着剤でも構いませんが、両面テープの方が仕上がりが綺麗にできます。
  - 上の写真に写っているものは「寺岡製作所」の「No.7565」です。
道具
- カッターマット
  - カッティングマットとも呼びます。
  - ダンボールや雑誌などで代用すると失敗しやすいし危険なので、専用のものを使った方が良いです。
- カッターガイド
  - 普通の定規でやるのは危険ですし、
    材質によってはすぐに削れて凸凹になってしまいます。
    ステンレスなどの固いレールがあり、
    怪我防止のガード付きのものが望ましいです。
    「【自作】保護付きカッターガイド」、
    「『600mm級の透明カッターガイド』の材料を小分け売り」を参考にして下さい。
- カッター
  - 普通のカッターでOKです。
    グリップが太くて握りやすいものがお勧めです。
  - 私は、「オルファ」の「特専黒刃(大)」という切れ味の良い刃を使っています。
- 細工カッター
  - 細かい部分は、普通のカッターだと切り辛いので、
    「細工カッター」という鋭角な刃のカッターを使うのがお勧めです。
- Pカッター
  - プラスチック向けのカッターです。
  - 上の写真に写っているものは「オルファ」の「PカッターL型」です。
- 三角刀(彫刻刀)
  - 折り溝のバリ取りに使います。
- 両面テープ
  - 普通の両面テープです。
  - 仮止めに使うので、ポリプロピレンに対し強粘着のものは向きません。
- ハサミ
  - 普通のハサミです。
  - 両面テープを切るのに使います。
- 押さえローラー
  - 無くても構いませんが、あると便利です。
  - 型紙とポリプロピレンのシード材を貼り合わせるのに使います。
  - 上の写真に写っているものは「アサヒペン」の「カベ紙押さえローラー」です。
- バネクランプ(25)
  - 無くてもなんとかなりますが、あった方が断然やりやすいです。
  - 今回は洗濯ピンチなどでは滑るので代用が効きません。
  - 上の写真に写っているものは「三共コーポレーション」の「PCバネクランプ25」です。
- マスキングテープ
  - 普通のマスキングテープです。養生テープでも構いません。
  - 無くてもんとかなりますが、あった方が断然やりやすいです。
  - 組み上げる際の仮止めに使います。
- 対切創手袋
  - 安全のためにこういうものを使う事をお勧めします。
  - 慣れない内は、ごわついて作業し辛いかもしれませんが、何度か使っているうちに慣れてきますし、手袋が手に馴染んできます。
  - 上の写真に写っているものは「ユニワールド」の「安全手袋スカイブルー Lサイズ」です。
- クズ入れ
  - 卓上に置ける小さな小箱などを使うと便利です。
  - 作業中に出る細かい切り屑を一旦集積してやるようにした方が、作業が捗ります。
  - 上の写真に写っているのは、「めかぶ」や「もずく」などの食品の入っていた容器を洗って流用したものです。
- 卓上クリーナー
  - 無くても構いませんが、あった方が便利ですし、邪魔になる細かい切り屑を作業の合間でさっと掃除してやると、作業もしやすくなります。
  - 「ハンドクリーナー」の類だとちょっと大きくて取り回しがし辛いので、こういう小さな「卓上クリーナー」が便利です。
  - 上の写真に写っているものは「ソニック」の「リビガクスージー」です。
- キッチンペーパーか不織布など
  - のりしろの脱脂に使います。
  - ティッシュペーパーだとやり辛いと思います。
- アルコール剤
  - のりしろの脱脂に使います。
  - キッチン向けの除菌用アルコールで構いません。
- プリンターなど
  - 型紙を印刷するのに使います。

＜工程＞

型紙を印刷します。
- 拡大縮小率100%では僅かに寸法が違う場合は、実寸になるように調整してやります。
  前回「【自作】爪切り立て小箱／その１７」で計算した通り、私の環境では「100.318%」がほぼ実寸になります。
型紙をポリプロピレンのシート材に貼り合わせます。
1. 普通の両面テープを型紙に貼ります。
  - この時、型の内側に貼るようにした方が、後の作業がやり易いです。
    型の外側だけに貼っていると、切っていく最中に型紙がズレてしまうからです。
  - 私は今回、写真の12ヶ所に貼りました。
2. 貼った全ての両面テープの剥離紙を剥がします。
3. ポリプロピレンのシート材を上にそっと重ねます。
  - そっと重ねるのは、位置がうまく無い時には剥がしてやり直し易いからです。
4. 位置が良ければ、押さえローラーなどで上から押さえて
  しっかりと貼り合わせます。
型紙の切り取り線に沿って切り出します。
- この時、一度に切りきろうとはせずに、
  カッターで何度もなぞるようにして切ります。
  その方が失敗し辛いです。
  多ければ10回くらいなぞるつもりの軽めの力加減でやります。
- 今回は、切り出しにはPカッターを使わずに、
  普通のカッターと細工カッターでやりました。
折り溝を掘ります。
1. Pカッターで、谷折り線に沿って削ります。
  - この時、一度に掘りきろうとはせずに、
    Pカッターで何度もなぞるようにして削ります。
    その方が失敗し辛いです。
  - 0.2mm程度を残してやります。
    加減がわからないようなら、同じ素材の切れっ端で練習してみましょう。
    どれくらいの力加減で何回くらい削れば、〝切り取ってしまうのか〟をまず覚え、それより少なく計算してやります。
2. 今彫った折り溝の「バリ」を三角刀で丁寧に取り除きます。
  - コツは「プラスチックのシートに折り溝を掘る」で解説しているので、参考にしてください。
型紙を剥がします。
折り溝に沿って谷折りにします。
- この時、間違えて山折りにしてしまうと、簡単に千切れてしまうので注意してください。
  溝を彫った側を内側にして折ります。
のりしろの貼り合わせる面を脱脂します。
- ついでに全体についた手垢も拭き掃除してやると、仕上がりが綺麗になります。
- アルコール剤などで拭き上げます。
のりしろの貼り合わせる面に両面テープを貼ります。
- この時、貼り合わせる面を間違えないようによく確認してください。
- 本止めになりますので、ポリプロピレン対応のものを使います。
のりしろを貼り合わせます。
1. まず、内側になる部分をバネクランプで
  摘んで留めてしまった方がやりやすくなります。
2. 内側になる部分の片側に相当する、
  外側の二枚の剥離紙だけを剥がし、
  位置を合わせてから、バネクランプを外してやります。
  - この時、位置がズレてやり辛ければ、先に外側の二枚の部分をマスキングテープなどで固定してやるとやり易くなります。
3. 慎重に位置を合わせたら、
  両面から指などで押さえてしっかりと貼り合わせます。
4. もう一度、のりしろの内側になる部分をバネクランプで
  摘んで留めてやります。
5. 残りの剥離紙を剥がします。
6. 外側の二枚を位置合わせしたら、
  マスキングテープなどで仮止めします。
7. バネクランプを外し、慎重に位置を合わせたら、
  両面から指などで押さえてしっかりと貼り合わせます。
これで完成です。
目的のバスケットに入れてみました。
爪切りを入れてみました。

＜あとがき＞

これで、全18回に分けた、
【自作】「爪切り立て小箱」の解説が全て終わりました。
一番大変だったのは、ブログの記事にする事ですね。
それに比べれば、CADで型紙を起こす作業は楽なものです。
それでも、
CADで型紙を起こす作業は、それなりの労力を費やします。
型紙さえきちんと作ってしまえば、
その後の作業はすごく捗ります。
型紙の作成作業は大事ですよ。

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