『不労所得』という言葉は、ネガティブな意味で使われる事が多いと思います。
「働かずに収入を得る」というような言い回しからは、
「なまけもの」とか「ずるい輩」とかいうイメージが湧くのでしょう。
さて、
『不労所得』とされ易い方法の収入は、本当に「楽」なのでしょうか?
まずは、
『アフィリエイト』について考えてみましょう。
私はブログを書いていますし、実際にアフィリエイトを利用していますしね。
<『アフィリエイト』は「楽」なのか?>
はっきり言って、愚問です。
わざわざ題材にするような価値もないほどに。
意味がわからない人のために少し説明します。
『アフィリエイト』とは、ブログやサイトなどに広告を貼り、その広告料を得る仕組みの事です。
つまり、一度広告を貼ってしまえば、何もせずともお金が入ってくるというイメージがあります。
さて、
そんなに「楽」な話でしょうか?
実際には、生活の主たる収入源にできるほどの収益を上げている人は、ごく僅かだそうです。
ネットには、無数の情報が溢れていて、
その中から、自分のブログやサイトなどに人が訪れてくれなくては、
原則として広告料は入りません。
(ごく稀に入るものもある)
この「選ばれる」ブログやサイトなどを作るのが「楽」な筈もなく、
膨大な労力を必要とします。
また、ただ闇雲にルーチンワークしていれば収入になるようなものではありません。
よほど、サラリーマンの方が「楽」で堅実でしょう。
そして、
自分のブログやサイトなどを訪れてくれても、広告に見向きもしなければ、
原則として広告料は入りません。
(ごく稀に入るものもある)
現在、主流のものは、購入があって初めて、その内の何%かが収入になるシステムです。
つまり、広告を出しているサイトまで行ってくれたとしても、
購入に結びつかなければ、収入になりません。
昔主流だったものに、広告を開くだけで1回幾らという契約があります。
今では、少数派になってしまいましたが、これも1回1円とかいうレベルです。
例えば、
1万人の訪問者があったとしましょう。
その内の10%の人がすぐにページを閉じずに、読んでくれたとします。
更にその内の10%の人が広告に興味を示して開いてくれたとしましょう。
「広告を開くだけで1回1円」という契約だったとしても、100円にしかなりません。
「購入があれば1%」という契約だったとしたら、まだ収入ゼロです。
広告を開いてくれた人の内10%の人が購入してくれたとしましょう。
商品の価格が1万円だったとしても、1%×10人ですから、1,000円にしかなりません。
実際に貴方は、訪問者の立場の時、どうですか?
ネットで何か検索して、ヒットしたページを全ては見ないでしょう。
上位から幾つ見ますか?
開いたページをどれくらいの確率で「これは違うな」とすぐに閉じてしまいますか?
読んだページの広告をどの程度見ますか?開きますか?
広告を開いて、その商品を購入する確率は?
そうですよね。
10%の10%の10%という確率は、大きく見積もり過ぎていますよね。
『アフィリエイト』とは、そんなにも効率の悪いものなのです。
1ページの記事を書くのに何時間も掛けていては、とてもではないですが生活になりません。
ですが、記事を書くためには、知識や経験が必要ですし、
その為に、下調べや情報の裏取り、根拠の提示など、色々と手間が掛かります。
そうです。
『アフィリエイト』とは、途方もない膨大な苦労の上に成り立つ収入なのです。
<『株』や『FX』は「楽」なのか?>
これも、即答できます。
そんな甘いものではありません。
その人の性分や経験などで、向き不向きもありますが、
勉強や計算も必要ですし、何よりもまず『運用資金』が必要です。
何もなくても健康な体さえあればゼロから始められるような、日雇い労働とは訳が違います。
『運用資金』と言っても、ちょっと宝くじを買うようなお小遣いでは、儲けもたかが知れています。
「株を始めるなら100万円から」と言われていたものです。
(最近は、証券会社が経営の為、単位を小さくして顧客を獲得しようとしてますが)
最低100万円程度は『運用資金』がないと、とても儲からないという事です。
これはどういうことなのかと言うと、
株取引を儲けを期待してやるには、それなりの勉強や情報収集が必要で、
「果報は寝て待て」状態ではないという事です。
それで儲けは、利益率という「%」になります。
意味が分からない人の為に少し説明しますが、
株をひとつ買って、1日で1万円の儲けを出すのは非常に稀な事です。
実際には、精々1%の利益とかいう世界の話なので、
100万円分の株式を購入していても、1日1万円がやっとなのです。
そしてそれは、楽観的すぎる話であり、実際には損をする事もあるのですから、
出勤さえすれば損をせず日当が貰える日雇いの方が、「楽」で堅実な話になってしまいます。
単位が1千万円、1億円規模になってくると話は違ってきます。
同じ1%の利益でも、10万円、100万円という規模になるからです。
1日で1%の利益を出すのが稀でも、0.1%ならより確率が高く、0.01%の利益なら更に高い確率で出せるでしょう。
さて、
ではまずその『運用資金』を「楽」で堅実な日雇い労働で作るとしましょう。
貴方なら、何年掛かりますか?
100万円貯めるまでに。1千万円貯めるまでに。1億円貯めるまでに。
毎日、毎月生活費を消費しながら倹約して貯蓄するのですよ。
たまに聞く「100万円から始めて億を稼いだ」という人が、
どれほどの努力と倹約の上で始めたか想像してください。
しかもその成功例は稀な事で、多くの投資家は利益よりも「損」を出しています。
<『ギャンブル』は「楽」なのか?>
これは微妙ですが、実際「楽」ではありませんね。
まず、向き不向きが強く影響するでしょう。
その上で、勉強や研究、情報収集など、
儲かっている人はやはり、並々ならぬ苦労をした上に成り立っています。
多くの人は、それらの苦労なくして闇雲に資金を賭けるものだから、
勝つも負けるも同じ確率になります。
すると、手数料を取っている胴元が儲かる事になります。
多くの人が損をするカラクリになっているのです。
パチンコやスロットも楽ではないですよ。
私もやってた時期がありますが。
爆音の中、ずっと同じ姿勢で座りっぱなしで、代わり映えのしない景色を眺め続けてないといけないので。
競馬や競艇は、勝とうと思ったら色々と勉強や情報収集が必要になります。
それこそ「当てずっぽう」で賭けるのは「楽」でしょうけどね。
それと、
ギャンブル依存症の多くは、
勝った時の記憶は鮮明に覚えていて、負けた時の記憶はあやふやなので、
通算でどれくらいの損益になっているのか、正確に計算できていません。
仮に計算と記録をちゃんとやっていたとしても、
それにかかる労力と時間を全て時給換算してみて、日雇いより効率が良い人が
一体何人いるのでしょうかね。
好きでやっている人は、
経費がどうとか、労力がどうとか、時間、時給、そんな効率は関係ありませんけどね。
<向いている仕事が一番「楽」>
これは、『不労所得』に限らず、全ての事に言えるのですが、
自分に向かない事を強制的にやらされるのは「辛い」のです。
自分に向く事を自発的にやるのは「楽しい」のです。
楽しければ、どんな労働もそれほど「苦」にはならないでしょう。
世の中には、色んな収入の方法がありますから、
その中から自分により向くものを見つけた人が「楽」をできるのです。
お気に召しましたら、一票(ワンクリック)下さい。ランキングに参加しておりますゆえ。
[このブログの「selected entries」「categories」へジャンプする]