『和牛』と『国産牛』は違う、って知ってましたか?
国産牛じゃない『和牛』もあるし、
和牛じゃない『国産牛』もあるんですよ。
中国産『和牛』とか、想像しただけで怖いですねぇ。
アメリカの牛も『国産牛』にできるんですよ。謎ですねぇ。
【目次】
<はじめに>
<『和牛』と「国産牛」の違い>
<『和牛』の偽装表示>
<日本産『和牛』とオーストラリア産「WAGYU」の品質>
<その他のウンチク>
<あとがき>
<はじめに> [目次に戻る]
『和牛』とは、「品種」の事です。
ひとことで言ってしまえば。
法令やガイドラインなどは、改変される事もあります。
従って、
この記事に記載されている内容は、
最新の事情とは異なってしまう可能性を常に含んでいます。
正確な事を知りたい方は、情報の「裏」を取って下さい。
<『和牛』と「国産牛」の違い> [目次に戻る]
『和牛』は品種。なので海外産の「和牛」もあります。
「国産牛」は産地。
なので海外の品種でも日本で飼育して「国産牛」にできます。
但し、日本国内では、
「和牛」という表示に、農林水産省の指導や業界の自主規制があり、
また既得権益からの圧力により、
海外産「和牛」が流通する事は困難になっています。
ちなみに。
中国などで「和牛」「WAGYU」と言えば、
殆どオーストラリア産だそうです。
ところが、現地でも殆どの人が日本産だと思い込んでいるそうです。
- 「国産牛」って100%国内のものじゃないの? [目次に戻る]
日本国内で飼育した期間が一番長い牛肉です。
つまり、ほぼ半生を海外生活していても「国産牛」を名乗れるのです。
(平成16年以前は、日本国内で三ヶ月以上飼育していればOKだった)
但し、ほぼ半生を海外で飼育した「国産牛」の生産は、
コスト的に採算性が悪いため、現実的ではないようです。
更に、品種は関係ありません。海外品種でも同様です。
事実、
オランダ原産の「ホルスタイン」
イギリス原産の「ジャージー」
などが、国産牛として出荷されています。
- 「WAGYU」は『和牛』とは違うの? [目次に戻る]
違います。
似て非なるものです。…かなり近縁とも言えますが。
何が違うのかと言うと、肉自体が違うのではなくて、
「定義の内容」が違い、「定義している者」が違います。
日本国内では、
農林水産省ガイドラインで、これらを同じ様に扱うようですが、
公正競争規約では、
『和牛』に関して定義されていますが、「WAGYU」は記述無しです。
海外では、
「WAGYU」と言えば、和牛をオーストラリアで生産したものを指します。
「WAGYU JAPANESE BEEF」と表示されているものが、
海外での日本産『和牛』になります。
海外、日本の外では、
『和牛』は登録商標になっている事がありえますが、
日本の法令などと関係はありません。「WAGYU」も同様です。
- オーストラリア産「WAGYU」は異種と交配した雑種でしょ? [目次に戻る]
2006年には
アンガス種等との異種交配種でない和牛の生産に成功しています。
つまり、日本の『和牛』の血統を100%受け継いでいる、
いわば「純血種」の生産が既にできているという事ですね。
ですが、
オーストラリアでの「WAGYU」の定義上では、異種交配種も含みます。
- 日本以外で「和牛」を作っている国は? [目次に戻る]
アメリカ
オーストラリア
ニュージーランド
中国
…他にもあるかもしれません。
<『和牛』の偽装表示> [目次に戻る]
- 海外産を『和牛』と表示したら「詐欺」じゃないの? [目次に戻る]
表示しただけは「詐欺」にはなりません。
ですが、海外産を『和牛』と表示し続ける事は、非常に困難です。
勿論、海外産『和牛』を「日本産です」と偽れば、
「詐欺」になるでしょう。
或は、消費者の「思い込み」を利用し、
誤認させる様に仕向ければ「詐欺」になる可能性は高いでしょう。
それ以外に「詐欺」になるとしたら、
個体識別番号やDNA鑑定で
「公正競争規約上の『和牛』ではない」と判断された場合でしょう。
公正競争規約では、産地は定義づけられていません。
農林水産省ガイドラインでは、
「国内で出生し、国内で飼育された牛であること」
という記述はありますが、
これに法的強制力は見当たらず、「規制」ではありません。
但し、農林水産省からの指導や、既得権益からの圧力を受けます。
- 『和牛』に「偽装表示」はありえないと? [目次に戻る]
『和牛』にも偽装表示は起こりうる事です。
ですが、
血統などが正しいもので、産地を正しく表示していれば、
「偽装」ではありません。
一方で、他の食品での「偽装表示」事件と同様、
例えば、中国産『和牛』がオ
ーストラリア産などと表示を偽る可能性は否定出来ません。
勿論、日本国内では、規制・検査・摘発などは行われています。
<日本産『和牛』とオーストラリア産「WAGYU」の品質> [目次に戻る]
- 日本産『和牛』の方が海外産より美味しいでしょ? [目次に戻る]
そうとも限りません。
日本産『和牛』は、
高い品質を維持する為の取り組みが成されていますが、
それでもそれぞれの『和牛』には、品質や風味のバラつきがあります。
同様に、海外産の「和牛」系統に関しても大きなバラつきがあります。
オーストラリア産の「WAGYU」は品質の改良を積み重ねてきました。
とはいえ、
オーストラリア産「WAGYU」はピンキリで、その差は大きいようです。
一部では、最高クラスのオーストラリア産の「WAGYU」は、
平均的な日本産『和牛』より美味しいと言う人もいるようです。
(最高クラス同士の比較になると、賛否両論で簡単には甲乙がつかないのだろう)
アメリカ産は、
品質的に日本やオーストラリアに追い付いていないようです。
中国産は、品質的にはアメリカ産にも劣るようです。
- 日本産『和牛』と海外産は飼育方法や飼料が違うでしょ? [目次に戻る]
確かにそうですが。
日本産『和牛』もそれぞれに違います。
日本産『和牛』とひとくちに言っても、
更に細かく4品種とそれらの交雑種に分類されます。
また、畜産農家もそれぞれ工夫を凝らしています。
一方で、
オーストラリア産「WAGYU」は、
日本産『和牛』の品質に追い付け追い越せと、
研究・改良を日々続けています。
日本の技術も取り入れました。
当然、飼育方法や飼料にも改良を重ねています。
<その他のウンチク> [目次に戻る]
はい。あります。
血統で4品種、銘柄や商標で言えば数え切れないほどあります。
血統は、
「黒毛和種」
「褐毛和種」
「日本短角種」
「無角和種」
があります。
銘柄や商標で言えば、代表的なものに
「但馬牛」
「神戸ビーフ」
「松阪牛」
「近江牛」
「米沢牛」
「飛騨牛」
「佐賀牛」
などかあります。
『和牛』は、日本が独自に品種改良を重ね、
食用として美味しい牛の「品種」として確立しました。
つまり、
『和牛』は日本がつくった品種であり、長らく門外不出でした。
なので、精肉として輸出はしても
「種」を外国に渡すことは考えていなかったので、
かつては『和牛』の全ては日本国産でした。
- オーストラリアで『和牛』が作れるようになったのはなぜ? [目次に戻る]
研究用としてアメリカに渡った『和牛』のDNAから
アメリカやオーストラリアに
『和牛』の遺伝子(血)を持つ品種が広がりました。
(種が外国に渡った原因については他にも諸説ある)
1990年、オーストラリアに初めて品種としての和牛が持ち込まれました。
1991年、和牛の精液と受精卵が持ち込まれた事により、
オーストラリア国内で和牛の生産が可能となりました。
その後も引き続き、オーストラリアに
精液・受精卵・子牛・雄牛・雌牛・日本の技術が流入しています。
2006年にはアンガス種等との異種交配種ではない
100%純血種の『和牛』の生産に成功しています。
- 「オージービーフ」がオーストラリア産「WAGYU」なの? [目次に戻る]
いいえ。両者は定義が違います。
オーストラリア産「WAGYU」は、
「オージービーフ」としては流通できますが、
「オージービーフ」の全てが
オーストラリア産「WAGYU」ではありません。
日本国内では、
海外産のものに『和牛』「WAGYU」などと表記する事が、
非常に困難です。
オーストラリア産「WAGYU」は高級品なのに、
「オージービーフ」としか表示できなければ採算性が悪いので、
日本国内ではオーストラリア産「WAGYU」は
殆ど流通していません。
日本国内でも稀に、
「豪州産交雑牛」などという表示で
オーストラリア産「WAGYU」が販売されているようです。
もし、「オーストラリア産」なのに、
日本産『和牛』に見劣りしない価格で売られていたら、
それは表示されていないだけで
オーストラリア産「WAGYU」なのかもしれません。
- 日本国内で海外産『和牛』は流通していないの? [目次に戻る]
一時期、日本国内でも、
オーストラリア産「WAGYU」が流通を拡大し始めてたようです。
海外産『和牛』の品質はピンキリで品質の悪いものがあったため、
爆発的に海外産があふれる事態にはならなかったようです。
ですが、これを既得権益が危機的事態と捉え、
2007年、農林水産省ではガイドラインを改定し、
『和牛』表記の条件に品種だけでなく「国内で飼育」したことを加え、
「海外産和牛」の国内流通をストップさせました。
(正確には、流通を止めたのではなく「表記」をやめさせた)
ですが、現在でも一部では流通しているようです。
また、個人輸入レベルでは、海外から購入する事は可能なようです。
なお、日本国内で海外産に『和牛』の表示ができないだけであり、
商品そのものが取引出来ないわけではありませんし、
日本国外であれば『和牛』の表示ができる場合があります。
参考:
日本でも販売されているオーストラリア和牛の唐黍牛
- 日本国内で海外産『和牛』を食べてみたいんだけど [目次に戻る]
念を押しますが、日本産『和牛』と違い、品質はピンキリになります。
安いものは、安いなりの品質だと考えて下さい。
以下のような表示で、
豪州産「WAGYU」が日本国内でも僅かながら流通しているようです。
「豪州産交雑牛」
「唐黍牛」(異種交配種)
これ以外にも、情報がありましたら、コメント下さい!
情報提供して頂ける方は[アドバイス]下さい!<(_ _)>
参考URLも頂けると嬉しいです。
- 葡萄牛・・・「ぶどう牛」とも表記される。ワインの「ぶどう粕」を飼料に加えて育てている事は解っている。アンガス種系という事で、『和牛』の血は入ってなさそうだが、情報が乏しい。
- 鳴尾牛・・・「Naruoブランド牛」とも呼ぶらしい。オーストラリアの「鳴尾牧場」(Naruo牧場)で育てられた牛である。「いきなりステーキ」「裏NO庭」「イオン」などの一部店舗で提供されている。同じ牧場で、『和牛』を掛け合わせている牛と『和牛』を交雑していない牛とを出荷しているらしいが、見分け方が解らない。
- この記事の編集のために参考にした元記事など [目次に戻る]
<ウィキペディア>
<あとがき> [目次に戻る]
「Yahoo!知恵袋」の「知恵ノート」終了に伴い、こちらに移設しました。
ついでに若干加筆もしました。今後も必要であれば加筆します。
この記事の元の「知恵ノート」のページは、2017.11.10の19:50の時点で、
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「1」のナイス!を頂きました。
ご覧頂きましてありがとう御座います。
他の知恵ノートも順次移設予定です。
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